あんしん相続・遺言コラム

遺産相続の優先順位一覧とその相続割合。家系図を使ってご説明します。

稲葉 光治 司法書士(大阪第4478号) 簡裁訴訟代理等関係業務認定(第1512004号) 宅地建物取引主任者 行政書士

優先順位や相続割合を考える前に…

民法には誰が相続人になるかやその相続する割合について定めがあります。ですが、その前にこれに優先するものがあることをご存知ですか?

それが、「遺言」です。亡くなられた方がこの人に財産を残したいというような思いを生前に書面で残すもので、この内容は民法の定めより優先されます。

なので、相続が発生したらまずはこの「遺言」がないかどうかをしっかりと確認してください。この「遺言」がない場合に、一般的には相続する権利のある人たちが誰がどんな割合で相続するかを決める話し合い、「遺産分割協議」によって相続する人やその割合などが決められます。

では、どのような人がこの「遺産分割協議」をすることになるのでしょうか。これを特定する指標が相続の優先順位の定めになります。それでは、民法に定められている相続の優先順位についてご説明しましょう。

遺産相続の優先順位

おおさか法務_事務所あんしん相続・遺言サポート_家系図

上の図を前提にして、遺産相続の優先順位についてご説明します。まず、被相続人の「配偶者」は必ず相続人となるため、相続の優先順位には関係ありません。

相続の優先順位に関係するのは、被相続人の子ども、父母、兄弟姉妹であり、以下の優先順位が定められています。

第1順位:
→ 被相続人の子ども(子どもが被相続人より先に亡くなっている場合は、孫、曾孫等)
第2順位:
→ 被相続人の父母(父母が被相続人より先に亡くなっている場合は、祖父母、曽祖父母等)
第3順位:
→ 被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合は、甥姪)

相続人となるのは、「配偶者」と上記の中で最も順位の高い相続人です。仮に配偶者がいなければ最も順位の高い相続人のみが相続人となります。この相続人が「遺産分割協議」をすることになるのです。

見落としがちな代襲相続というルール

上で触れたように、第1順位である子どもは第2順位である父母より優先されるわけですが、その子どもが被相続人より先に亡くなっていた場合に、第1順位がいないから当然第2順位である父母が相続人になるのかといえばそうとも限りません。

相続のルールの中に「代襲相続」といって、子どもが被相続人より先に亡くなっていても、その子どもに子ども(被相続人にとっては孫)がいる場合には、子どもから孫に相続権が引き継がれるという決まりがあります。

このルールは、子どもや父母に関しては引き継がれる範囲に制限はない、つまり曾孫、玄孫など延々と引き継ぐことができるのですが、第3順位である兄弟姉妹に関してだけ、甥姪のみとなっており、甥姪の子どもには引き継がれない決まりになっています。間違えやすいので覚えておいてください。

相続割合について

さて、「遺産分割協議」をする人が決まったところで、なんらの指標もなければそれぞれが自分が多くもらえるように主張して話し合いがまとまらないと思います。

そんなときに、話し合いの指標となるのが「相続割合」です。民法第900条には以下のような相続割合が定められています。

・配偶者と子どもが相続人 配偶者2分の1 子ども2分の1
・配偶者と父母などの直系尊属が相続人 配偶者3分の2 直系尊属3分の1
・配偶者と兄弟姉妹が相続人 配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1

なお、子どもや兄弟姉妹が2人以上いるような場合や、父母が両方とも存命の場合には、それぞれに均等に割り当てられることになります。

まとめ

これまでみてきたように、民法には相続の優先順位や相続割合に定めがあります。もっとも、「遺産分割協議」において上記と異なる割合を話し合いによって決めることもできます。また、「遺言」があっても、相続人の協議によって異なる割合を定めることが可能です。

以上から、最終的には相続人の中で話し合いをすることにより相続する人やその割合を自由に定めることができますが、その話し合いの指標として民法の定めが役に立つことになります。ご参考になれば幸いです。

相続に関してお困りの方は、おおさか法務事務所までお気軽にご相談ください。