よくあるご質問

遺言に関するよくあるご質問

Q遺言書を作ろうと思ってます。でも、正直に言うと、あんまりお金はかけたくない。何か方法はありますか?

とにかく費用を安く抑えたいという場合には、ご自身で遺言書を作成する方法が考えられるでしょう。

でも、要注意です。
遺言書にかかるお金だけを気にしすぎたために、結果的に損をするケースもあります。

できるだけお金をかけずに遺言書を作りたいというのは当然の気持ちですし、そう思われる方は少なくありません。

普通に作ることのできる遺言書の種類は、簡単に言うと3つあります。

1.自分で書いて、自分で持っておくタイプ。

2.自分で書くけど、役場の人が書いたことを証明してくれて、役場で保管しておいてくれるタイプ。

3.そもそも役場の人が書いてくれて、しかも役場で保管しておいてくれるタイプ。

上の回答の通り、1つ目のタイプは何のお金もかからずに済むことがあります。誰かが何かしてくれるわけじゃないですもんね。

でも、遺言書というのはガチガチのルールに縛られた「法律文書」です。ちょっとでもそのルールに合わないところがあれば、せっかく時間をかけて作った遺言書が無効になってしまう・・・そんなこともありえます。

そもそも、書いた内容で、思い通りの結果が得られるかどうか。まずはこの点が一番大事であるといえるかも知れません。

遺言書の内容で分からない点や注意点だけでも専門家に聞いてみて、その上でご自身で遺言書を作成する方法なども考えられなくはありません。

ちなみに、「あんしん相続・遺言サポート」では、自分で作った遺言書の形式チェックだけなら、1万円で診断を受けることができます。

Q二人の子供に遺言書を書いてやろうと思うのですが、ふと疑問に思い質問しました。 私より先に子供が死去した場合、相続権はどうなりますでしょうか。 その分は孫に自動的に相続権が発生することになりますか?

受取人に指定された方が遺言者の方より先に亡くなられると、遺言書ではその部分は無効となります。

したがって、その部分の相続権が自動的にお孫さんへ引き継がれるということはありません。

こうした事態に備えるためには、遺言書に「予備的遺言(よびてきいごん)」というものを用意しておきます。

予備的遺言とは、受取人に指定された方が先に亡くなった場合などを考えて、その次の受取人も決めて遺言しておくことです。

例でいうと、

1.まずは自宅の土地と建物を長男Aさんに相続させる、と指定する。 2.もし長男Aさんが遺言者より先に亡くなっていた場合は○○に・・・と、次の受取人も定めておく。

このように、次の受取人を定めておくことによって、指定された受取人の方が先に亡くなってしまっても、この部分が無効になってしまうことを防ぐことができます。

Q今年80歳になる私には二人の息子がいます。妻は既に他界しております。 素直に育ち、私の老後を献身的に支えてくれた長男に財産の全てを与え、いつまでも親を頼り仕事もしない次男には一銭の財産も残したくない。 このような希望は遺言書を作成することで実現できるものでしょうか。

そのような遺言書を作成することは不可能ではありません。 しかし、「遺留分(いりゅうぶん)」という法律上の制度を次男が使うことで、次男には最低限の遺産の取得が保証されてしまいます。

遺言書は亡くなった方の最後の意思表示ですので、その意思は最大限に尊重されます。

しかし、遺言の作成者である亡くなった方の意思だけを尊重し、相続人の立場を軽視し過ぎるのもいけません。そのため、法律上、一定の範囲の相続人には、遺産について一定の割合を保障する制度があります。この遺産の最低保障のことは、専門用語で「遺留分(いりゅうぶん)」と呼ばれています。

ただし、この最低保障は何もしなくても自動的にスタートするものではありません。万が一最低保障を侵害された場合に、自分から侵害した相手に請求しないと認められません。

具体的に、ご質問の事例に当てはめて考えてみましょう。次男に一切相続財産を与えない遺言そのものは有効ですので、相続財産はいったん長男が全て相続することになります。そのまま、もし次男が最低保障の権利を使うことがなければ、相談者の希望は実現できたことになります。

しかしながら、次男がその権利を主張した場合、法律上は長男は対応するしかありません。この場合は、残念ながら次男に最低保障分だけは分けなければならないことになりますので、遺産を一切残したくないという希望は実現できないことになります。

Q娘と息子がいます。娘に全ての財産をあげたいと考えています。息子には財産を残したくない。どういった方法が考えられますか?娘は私たちの面倒も見てくれますが、息子は私に暴力を振るったこともあり、私の面倒を見るなどということは全くありません。

遺言書を作ることで、いったんは娘さんに財産の全部を残すことが可能です。

さらに、裁判所に請求することで、息子さんから相続する権利を取り上げることができる可能性もあるでしょう。

遺言書に、娘さんに財産の全部を相続させるという内容を書くことは禁じられていません。こうすると、娘さんはあなたの財産を全てもらうことができるようになります。

ただし、通常であれば、息子さんにも遺産の取り分の最低保障があります。遺留分(いりゅうぶん)と呼ばれる権利で、この権利を使えば、息子さんは遺産を全部もらった娘さんから一定の財産を取り戻すことができてしまいます。

しかし、今回の場合、息子さんはこの最低保障の権利が使えない可能性もあります。

どういうことか?

そもそも、この最低保障の権利をもつのは、相続人だけに限られます。仮に息子さんが相続人でなくなれば、そうした権利も認められません。

息子なのに相続人ではない、などという可能性があるのでしょうか。

息子さんは、あなたに暴行を加えているというお話です。

法律上、被相続人(つまりあなた)に対して、

・虐待をした者

・重大な侮辱を加えた者

・著しい非行があった者

こういった人がいた場合は、相続人としての相続権を取り上げたい、と家庭裁判所に請求することができるという手続きがあります。専門用語で、「相続人の廃除(そうぞくにんのはいじょ)」と呼ばれているものです。

仮に、この請求が認められれば、長男はそもそも相続する権利がなくなってしまいます。それと同時に、さきほどの遺留分という最低保障の権利も失ってしまいます。


相続に関するよくあるご質問

Q亡くなった父の相続のことで質問です。 相続する権利が誰にあるのか、簡単に教えてくれませんか。

遺産をもらえる権利を持った人は、大きく2つに分かれます。1つめは、法律に定められた相続人です。2つめは、遺言書によって遺産の受け取りが決められた人です。

誰が相続人になるかは、民法という法律で決められています。しかし、もしお父さんが遺言書を作っておられて、その中で「この人にあげたいんだ!」という気持ちを示しておられる場合は、そちらが優先されることになります。これは、お亡くなりになられたお父様の人生最後の気持ちを優先させようというものです。

また、民法で決められている相続人にも2種類あります。一つは妻や夫などの「配偶者相続人(はいぐうしゃそうぞくにん)」です。少し分かりにくい言葉ですが、要するにご主人や奥様がいらっしゃる場合は、その方は必ず相続人になります。

もう一つは子供や親、兄弟姉妹などの「血族相続人(けつぞくそうぞくにん)」です。亡くなった方のご主人もしくは奥様と共に、子供がいる場合は、子供が相続人になります。子供がいない場合は、次の順位ということで、亡くなった方の直系の両親(両親が亡くなっていた場合は祖父母やさらにその上)が相続する権利を持ちます。お子様も直系の両親や祖父母などもいない場合は、兄弟姉妹(亡くなっていた場合はその子である甥姪)が相続権を持つことになります。

いずれにしても、まずはお父様が遺言書を書いておられるかどうか、確認する必要があるといえますね。

Q賭け事が好きだった父親が、借金を残して亡くなりました。 借金も相続しなければならないと聞いたことがありますが、それって本当ですか?

本当です。
借金も、相続する遺産のうちに含まれます。

ただし、相続しないでいい方法もあります。
これには注意点がいくつかあります。

借金についても、何の手続もしなければ相続することになります。 つまり、相続人であるあなたが借金を返さなければいけません。

でも、お父さんは一方で、プラスの財産もお持ちだったのではないでしょうか。

もし借金が明らかにプラスの財産を上回るという場合には、迷わず借金を引き継がない手続きをとりましょう。これは「相続放棄(そうぞくほうき)」と呼ばれる手続きで、家庭裁判所に申立をするものです。放棄というくらいですから、つまり相続する権利そのものを捨ててしまいます。だから、マイナスの財産は引き継がなくてよいですが、その代わりにプラスの財産も相続しないことになります。

また、この手続きには締切があるので要注意です。相続開始後3ヶ月以内にこの手続をしなければなりません。でも、これに間に合えば、基本的にあなたが借金を返す必要はなくなります。この相続放棄の手続きは、必要な書類などを集める費用をのぞけば、だいたい5万円くらいからでできる手続きです。早めに手続きをしないと締切が来てしまいますから、相談だけでもできるだけ急いでしたほうがよいでしょうね。

Qまだ小学生の息子がいる母親です。先日、夫が事故で亡くなってしまいました。 遺言のようなものはなかったんですが、夫の遺産全部を、私一人が相続する方法なんてあるんでしょうか。

不可能ではありません。

まずは遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)という、ご主人の遺産分けの話し合いが必要です。

その結果、遺産をもらうことのできる方全員からのOKがもらえれば可能です。

ただし、お子さんがまだ小学生ということですから、お子さんの代わりに話し合いをする、特別代理人(とくべつだいりにん)という立場の人を事前に裁判所に選んでもらう必要があります。

お父さん、お母さん、息子さんの3人のご家庭の場合で説明しますね。

亡くなられたご主人の遺産は、法律に決められた割合でいうと、お母さんと息子さんが半分ずつ相続することになります。でも、相続する人がみんなで話し合うことで、誰が、何をもらうか、自由に決めることもできるのです。

今回は、まだ小学生の息子さんがいらっしゃるとのことですね。息子さんは当然、そんな難しい話を自分で決められる年齢ではありません。

では、息子さんに代わって、お母さんが一人で遺産を全部をもらえるように決めてしまうことができるのかというと、そんなことはありません。

息子さんにも、もちろん相続する権利があります。でも、話し合いができない。こういう場合は、息子さんの代わりになる人を、裁判所に届け出して、正式な代理人として認めてもらうのです。そして、選ばれた人(特別代理人)が、息子さんの代わりとして、お母さんと話し合いをします。

こういった場合は、遺産相続で財産をもらう立場とはならない親族(息子さんの祖父や祖母など)が代理人になることも一般的です。この代理人を選ぶ手続きの書類は、必要な書類を集める費用などを除くと、だいたい5万円くらいからで専門家に作ってもらうことができます。

ただし、合理的な理由もないのに息子さんの取り分をゼロにしたりすると、あとからトラブルになってしまうこともありますので、そこはじゅうぶん注意してくださいね。

Q夫の父の介護がほんとに大変なのですが、 義父が亡くなった後の相続で、この苦労は何かの形で報われますか?

そのままだと、報われるとは限りません。

亡くなった本人に献身的に尽くした方がいた場合、それを評価しようとする制度が法律にはあります。

でも、それには前提があります。それは、献身した方が、原則として亡くなられた方の相続人でなければならないというルールです。

その人のおかげで、亡くなった方の財産が減らずにすんだ場合、またはそれにとどまらず、財産が増えたような場合というものがあります。

たとえば、亡くなった方の仕事上で力になった人や、お金を出して支えた人。

あるいは、亡くなった方の健康上のことなどで、面倒を見た人や、お金を出した人。

法律では、こういった人に対しては、あらかじめ法で決められている相続でもらえる割合に、貢献した分をプラスして上乗せできる、という考え方があります。

しかし、そのためには前提があります。

それは、貢献を評価してもらえる人は、原則として亡くなった方の相続人でなければならない、ということです。

つまり、「もともと遺産はもらえない立場だが、頑張ったからもらえるようになる」ということはありません。「もともと遺産をもらえる立場で、しかも頑張ったことが認められた場合だけ、多めにもらえる」という基本ルールがあります。

今回のご質問の場合、養女などの立場でなく、単に子供の結婚相手であるというだけでは、そもそも義父の相続人にはなりません。いくら義父の介護に汗を流していても、義父が亡くなったあとの遺産相続の場で、相続人以外の頑張りが評価されることは、このルール上では難しくなります。